この地方でまず思い浮かぶのは、指宿温泉ですね。湯治王国の鹿児島ですので、新旧取り混ぜて様々な自炊宿があります。市街地にあるため食材の買物もしやすく、自炊初心者にお勧め。巨大ホテルだけが温泉と思っている方、ぜひ温泉のディープワールドに指宿で入門しましょう。
　また、山川駅前には超絶の安さで知られる旅館兼食堂(1泊素泊まり3000円)もあります。学生合宿とぶつからなければ快適にすごせるそうです。

　さて、歴史の話をしますね。素人なので細かい用語遣いの誤りはご容赦を。薩摩藩は、武士を城下町に集めず各地に外城(郷)を置く政策をとり、郷の中心部には麓という武家集落がつくられました。各地に「○○麓」というバス停を見かけますが、山の麓のことではなく武家屋敷群に由来するもので、だいたい集落の中心部を意味します。北薩にある出水麓は他藩との境界に位置するため特に規模が大きい武家屋敷群がありますが、町並みの美しさでそれに匹敵するのが知覧の武家屋敷群です。県のサイトによれば、郷は全部で113箇所あったそうですので、武家屋敷めぐりも旅のテーマとして面白いかも知れません。

　鹿児島交通枕崎線(南薩鉄道)の加世田駅あとに整備された南薩鉄道資料館は見応えのある施設でしたが、思ったより集客がみこめないと見るやこの会社の常でさっさと敷地の大部分を売却してしまいました。綺麗に保存されていた車輛も赤さびが浮いたまま放置されており、現場の方々の努力でディーゼルカーだけはなんとかバスの車庫に押し込んで保存してあります。見学施設ではないので常時開放されていませんが、バス営業所の方に頼むと見せてもらえるそうです。
　なお、日置市と南さつま市のコミュニティバスは、従来の路線バスが併走している区間が多いので、コミュバスじゃないと行けないところはさほどありません。