九州ローカルバス旅時刻表

荒玉菊鹿(玉名・山鹿・菊池)地区のバス旅

 どちらかというと県北と呼ばれることが多い地域ですが、阿蘇も含んでしまうので、ここでは荒尾+玉名+菊池+山鹿で荒玉菊鹿地区としてみました。

荒尾市・長洲町

 大牟田と双子都市とも言われた荒尾市。かつては市電と称した鉄道線をもち、2004年までは市営バスが走っていました。荒尾駅からのびる廃線あとはちょっとした散策路としておすすめです。終点間近の公園にはホームのあとも残っていますよ。さて、見つけられるかな。もちろん、今、いちばんホットな場所はいうまでもなく世界遺産として指定された旧万田抗です。荒尾駅前からの産交バスと大牟田駅前からの西鉄バスのダブルアクセスになってます。なお、産交バスが荒尾市営バスから継承した路線は〔バスセンター〕というどこにあるかわからないバス停を行先としていますが、荒尾駅前じゃなくて三井グリーランドの南にある「あらおシティモール」の位置ですので注意。
 長洲は金魚のまち。町のサイトに、「長洲町と金魚」なんてコンテンツがあります。金魚屋さんめぐりなどいかが。また、高速道路整備や熊本~島原航路の充実で経営は苦しいながらがんばっている、対岸の島原多比良港へ渡るフェリーには長洲駅~長州港の連絡予約タクシーがあります。

玉名市・玉東町

 玉名といえばまずは玉名温泉ですが、玉名駅からも新玉名駅からもちょっと離れておりアクセスはバスとなります。2016年10月から玉名駅と玉名温泉を結ぶ玉名市街地循環バスの運行が始まりました。
 また玉名駅から海沿いを経由して熊本まで至る路線の途中にある小天(おあま)温泉は、夏目漱石の草枕の舞台になったことで知られ、小説にでてくる浴場がいまも保存されています(入浴はできません)。有明海を望む小高い丘の上にある草枕温泉てんすいから望む有明海の夕日は心がしっとりします。
 なお、路線バスの補助打ち切りにより新設された、旧岱明町のしおかぜタクシー、旧横島町のいちごタクシーは残念ながら事前の利用者登録が必要で(市外在住者でも登録はできます)、ふらっと訪れたいローカルバス旅にはハードルが高いです。なお、熊本市とまたがる天水・河内地区のみかんタクシーは利用者登録は必要ありません。

和水町・南関町

 和水と書いて「なごみ」。合併によりできたいわゆる「キラキラネーム」自治体の一つです。平山温泉に勝るとも劣らない三加和温泉がオススメなんですが、知名度で負けてしまっているのか、閉まったり再開したりと三セク温泉の経営は不安定なよう。
 南関は、熊本県北部から福岡県南部で販売されている南関あげという揚げ豆腐で地名を聞いたことがある人もいるのでは? 意外に(?)交通の要衝で、大牟田駅・玉名駅・熊本駅・山鹿温泉の各方面に路線が伸びています。それぞれ始発地が異なり、大牟田駅行きの西鉄バスは(西鉄の)〔南関〕、JRバスを引き継いだ三加和温泉経由山鹿温泉行き産交バスは〔南関ターミナル〕、それ以外の産交バスは〔南関上町〕となっていますが、いずれも三セク南関温泉の〔うから館前〕には来ますのでここで乗り継ぐといいでしょう。

山鹿市

 かつては各社でバスのターミナルが異なっていたのですが、いまは市が整備した山鹿バスセンターに集約されたのでスッキリしました。産交バスの大部分は行先に山鹿温泉行きと表示されていますが、終点はこのバスセンターです。ただちょっと温泉街からすると西のはずれになります。九州の道後温泉本館というべき、再建された元湯さくら湯にいくときは〔温泉プラザ前〕で降りましょう。なお、ここまで来たら「山鹿千軒たらいなし」を今も継承する、月契約の温泉洗濯場が付属する共同湯「桜町温泉」もぜひご訪問をお勧めします。
 なお、菊池温泉の中心地にあるバス停も〔菊池プラザ〕で紛らわしいのですが、山鹿のほうには地名は付きません。たんなる〔温泉プラザ前〕です。
 いま、福岡県人がおしかけているのが、山鹿温泉の北西に位置する平山温泉。知名度がなかった時代には奥山鹿温泉なんて言っていた時期もあったのですが、里山に涌く豊富が温泉好きを魅了してやみません。施設も豪華系から素朴系までオールラウンダーです。特筆すべきは、福岡県八女市から堀川バスが県境を越えて路線バスの運行を始めたこと。かつての西鉄バス山鹿線をほぼトレースする路線で、土休日に適用される乗り放題1000円を買えばお安く平山温泉を楽しむことができます。福岡県の小さな老舗バス会社の攻めの路線設定、ぜひ利用してください。

菊池市

 旧熊本電鉄の菊池温泉駅の位置にある電鉄バスのバス停は〔菊池プラザ〕。産交バスのバス停は同じ位置で〔菊池産交〕。だけど、JRバス肥後大津~山鹿線をひきついだ産交バスはなぜか〔菊池プラザ〕に停まります。熊本電鉄バスは菊池温泉という行き先表示で、〔菊池プラザ〕を経由して最終的に〔菊池温泉・市民広場〕が終点になります。(JRバス継承路線は、ほぼ同位置に〔菊池温泉〕というバス停があります) 旅館の立ち寄り湯めぐり(註 このほかに観光旅館組合に入っていないところもあるみたい)をするならこちらが最寄りです。
 菊池市は公共交通機関の活性化に意欲的に取り組んでおり、ボランティアガイドとセットになった菊池渓谷行きの乗合タクシーなどを運行中。市街地を循環するミニバスも、市の公式サイトで「コミュニティーバスの導入・撤退が相次いでいますが、(中略)菊池市のような地方部における、毎日、一日中運行しているコミュニティーバスとしては、大変高い利用率を誇っています」と紹介されています。温泉街からちょっと離れたところにある公衆浴場(後藤温泉=バス停〔大琳寺・医師会立病院〕・松の井温泉=バス停〔旧医師会立病院〕)めぐりにいいですね。

合志市・菊鹿町・大津町

 熊本都市圏に入る一市二町。熊本市は、政令指定都市になるために合併して欲しかったようですが・・・。
 おもに電鉄バスが熊本市への路線を有し、域内をカバーするために各町がコミュニティバスを走らせているイメージです。なお、豊肥本線の立野駅のちょっと手前で見下ろす位置にある温泉マークの屋根が目立つ大津温泉は、維持費が嵩んで廃業してしまいました。

荒玉菊鹿(玉名・山鹿・菊池)地区の時刻表

交通事業者名 主な自治体 主な結節点となる駅・港・バスターミナル(BT) 主なローカルバス旅 観光地
九州産交バス・産交バス
 
→玉名市役所
荒尾市、長洲町、玉名市、和水町、南関町、山鹿市、菊池市、菊陽町、大津町 荒尾駅、バスセンター(荒尾)、長州港(島原多比良行き)、玉名駅、新玉名駅、南関ターミナル(≒南関[西鉄バス大牟田])、山鹿バスセンター、菊池産交(=菊池プラザ[熊電バス])、肥後大津駅 万田坑、玉名温泉、山鹿温泉、八千代座、平山温泉、三加和温泉、江田船山古墳、植木温泉、菊池温泉
熊本電鉄バス
 
菊池市、合志市、菊陽町、大津市 (熊本交通センター)、御代志駅、菊池プラザBT(=菊池産交[産交バス])、光の森駅 菊池温泉、辰頭温泉、七城温泉
西鉄バス大牟田
 
荒尾市、南関町 荒尾駅、(四ツ山=)荒尾四ツ山[産交バス]、(大牟田駅)、(新大牟田駅)、うから館前(南関)[産交バス]、三池港(島原行き) 三池港、三井グリーンランド
堀川バス
山鹿市平山温泉 平山温泉前[産交バス]、(福島(八女)BT) 平山温泉
荒尾市乗合タクシー ※要事前登録・要予約 荒尾市 あらおシティモール[産交バス]
長洲町乗合タクシー(きんぎょタクシー) ※要事前登録・要予約 長洲町、荒尾市 長洲駅、あらおシティモール[産交バス](≒バスセンター(荒尾)[産交バス])
南関町乗合タクシー ※要事前登録・要予約 南関町 南関ターミナル[産交バス]、南関[西鉄バス]
玉名市乗合タクシー(いちごタクシー・しおかぜタクシー) ※要事前登録・要予約 玉名市(旧岱明町・旧横島町) 玉名駅
玉名市乗合タクシー(みかんタクシー) ※要予約 玉名市(旧天水町)、熊本市(旧河内町) 追分[産交バス]
山鹿市乗合タクシー ※要予約 山鹿市(旧山鹿市・旧菊鹿町・旧鹿央町・旧鹿北町) 山鹿BT[産交バス]、鹿本総合支所前[産交バス]、鹿北地区…立花[産交バス] 菊鹿地区…矢谷渓谷、鹿北地区…岳間渓谷
菊池市コミュニティバス(菊池べんりカー) 菊池市(市街地) 菊池プラザBT[電鉄バス・産交バス] 菊池温泉
菊池市乗合タクシー ※要予約 菊池市(旧菊池市・旧泗水町・旧旭志町)、阿蘇市深葉 菊池・旭志地区…菊池プラザBT[電鉄バス・産交バス]、泗水地区…泗水[電鉄バス]、 菊池渓谷、龍門ダム、歴史公園鞠智(きくち)城、辰頭温泉、旭志温泉(四季の里)
合志市コミュニティバス 合志市、菊陽町 光の森駅、(黒石ポリテクセンター前=)熊本電鉄黒石駅
菊陽町コミュニティバス 菊陽町 光の森駅、(福祉支援センタ-前=)武蔵ヶ丘車庫[電鉄バス・九州産交]、東熊本第二病院[産交バス]、原水駅
大津町乗合タクシー ※要予約 ※現地に、一部を除きバス標柱はありません。 大津町 肥後大津駅

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