九州ローカルバス旅時刻表

壱岐・対馬地区のバス旅

 壱岐、対馬はひとまとめにされることが多いのですが、二島はまったく違う性格を持つ島です。また福岡県への編入運動が行われたほど、経済圏としては福岡とのつながりのほうが強くなっています。
 さて、博多から対馬へのアクセスとして安価なのが九州郵船の夜行フェリー壱岐対馬フェリーの夜行フェリー。五島航路とちがって船のグレードはググッと落ち、個室もなく九郵は雑魚寝オンリーです。対馬到着後は7時まで(壱岐対馬フェリーは8時まで)船内で仮眠できるのがメリット。ただ、タラップ外しちゃうので、到着時か7時かのいずれかしか下船できません。それと、到着後は冷暖房切っちゃうので、冬は下船客の放置した毛布をすかさず大量ゲットして籠城体制に入りましょう。寒~いです。九州郵船の厳原航路は、途中の壱岐でかなり下船客があり目が覚めるのが難点ですが、7時の下船開始に合わせてバス便があります(すぐ出るので急いで下船!)、比田勝航路はふだんは10人も乗っていない(!)のでゆったりできますが、新設された町外れのターミナルに着くので、比田勝のバスターミナルまで徒歩20分(比田勝発の上りフェリーには接続バスあり)かかります。なお、博多港の真ん前には温泉施設波葉の湯があるので、乗船開始まではお風呂に入っておくといいでしょう。壱岐対馬フェリーは、基本は貨物フェリーでドライバー席に空きがあるときのみ利用できます。こちらは雑魚寝ではなく、一人ずつベットがあるのが魅力。ただ、博多港の人影のない倉庫群の隙間(?)から出るので、夜は一人で歩いて行くのは正直コワイ・・・天神から2kmほどですのでタクシーで行きましょう。

壱岐

 壱岐は丸っこい。バスも循環系統が基本で、あとちょびっと例外系統があると考えればいいようです。外廻り循環と、印通寺を通らない内回り循環が基本で、湯ノ本温泉経由の勝本行きの3つが基本になっています。 郷ノ浦港から郷ノ浦のバスは船が着けばバスが待っているので、時刻表には掲載されていませんが心配ありません。
 旅行者には1日1000円で乗り放題のフリー切符がお勧め。郷ノ浦港ターミナル内の案内所か、バス車内でゲットしましょう。船からひととおり乗客が降りちゃうとバスは発車しちゃうので、バス車内での購入が安全かな。
 壱岐に行ったら、湯ノ本温泉に寄らないわけにはいかないでしょう。つかわれなくなった湯治棟が残る高峰温泉、米蔵を改築した煉瓦造りの浴室を持つ千石荘、施設の充実した平山旅館、掛け流しの広い浴槽が並ぶ山口温泉は、ぜひ訪れたいですね。
 なお、バスの行き先表示に地域名が当てられ、実際の終点バス停と違うことがあるので注意(「勝本」行き→仲折または天ヶ原、「初山」行き→初瀬、「渡良」行き→三島フェリー待合所)。博多からのジェットフォイルに接続する定期観光バスも運行するほか、夏期にはイルカパークや筒城浜海水浴場行きの臨時バスの設定があります。

対馬

 対馬は広い。天気図などでは九州本体に比べて縮小してあるが南北の距離は福岡-大牟田以上あり、1日で島全部を回るのは(バスではなく、レンタカーを借りたとしても)無理。博多から比田勝へ夜行フェリーで着いて、厳原に向けて南下していくのが効率的ですね。
 リヤス海岸に囲まれ、海に沿った道はほとんどなく、ほとんどのバスは山中を縦走するので「島に来た感覚」は全然しません。わずかに、万関橋と大船越の2つの運河を渡るところで、チラッと海を見せるだけで、あとはほとんど山の中です。ただ例外的に、厳原~豆酘線の久田~内院の間は絶景! 山の中腹をうねる道から対馬海峡がど~んと見渡せます。ここはオススメってやつです。
 いま対馬でひそかに観光協会が力を入れているのが砲台跡めぐり。いちばん厳原港から近いのは上見坂公園です。片道タクシーが現実的ですが、リアス式海岸の美を見せる浅茅(あそう)湾をみおろす景色と、欧州の中世の城郭を思わせるような砲台跡を両方楽しめます。詳しくは力作対馬観光物産協会の対馬砲台あるき放題を参照して下さいな。
 厳原から比田勝まで乗り通す縦貫線は、一日たったの4本。所要時間は2時間半。たぶん九州でいちばん長い距離を走る普通路線バス(途中の仁位営業所でトイレ休憩あり)です。乗り通すと片道運賃は3350円もするのですが、実は現在、衝撃の価格破壊実施中。なんと全線に1ヶ月乗り放題の「5000円定額フリーパスポート」が発売中(他に「一日乗車券が1000円」もあり) 対馬交通のバスだけじゃなく、撤退路線を引き継いでいる対馬市営バス、乗合タクシーも乗車OKで、ともかく利用してもらおうという攻撃的価格設定です。この政策によって年間輸送人員が10万人増えたとか。いま、攻めてますね、対馬の公共交通。
 対馬での宿泊でオススメは農泊。民宿は泊まるのが主体ですが、農泊は体験が主体。といっても民宿との競合を防ぐためなので、体験メニューを選ばずとも、夜、宿の方と食卓を囲んでお話をいろいろ聞くだけでも大丈夫。いか漁師さんのところではイカ三昧。とんび口だけ集めた煮物なんかもでて、「ふだん捨ててる」っていったら「もったない、いちばん動かすところやけん、いちばん旨みがあるのに。イカは捨てるとこないぞ」って、その通りでした。底物漁師さんとこでは、「今日はあんた運がいい、アワビをとったけど、欠けたのでこれは市場にだせん」といって、フチがちょっと割れただけの手のひら大のあわびを無造作にストーブの上にドン。もともと食卓に並んでいたアワビの刺身に加え、アワビの丸ごとステーキ、いただきました。お値段は1泊2食5000円~6500円ほど。ただ、かならずイカのとんびぐちが出てきたり、アワビがでてきたりするわけではないので、宿でもめないでね。

壱岐・対馬地区の時刻表

交通事業者名 主な自治体 主な結節点となる駅・港・バスターミナル(BT) 主なローカルバス旅 観光地
壱岐交通
壱岐市 郷ノ浦港(博多・大島・長島・原島行き)、芦辺港(博多・対馬行き)、壱岐空港、(三島フェリー待合所=)渡良浦(原島・長島・大島・郷ノ浦行き) 定期観光バス、湯ノ本温泉、辰の島、壱岐イルカパーク、原の辻遺跡、一支国博物館、勝本朝市
対馬交通
対馬市 厳原港(博多・釜山行き)、比田勝港(博多・釜山行き)、(対馬病院=)長板浦(市営渡海船-仁位行き) 砲台めぐり、万関橋、万松院、石屋根、浅茅湾
対馬市営バス
対馬市(主に北部の支線) 比田勝港(博多・釜山行き) 鰐浦のヒトツバダコ、上対馬温泉、豊砲台跡、(仁位浜口=)仁位港(長板浦(対馬病院)行き)
対馬市乗合タクシー ※予約制
対馬市 椎根線…厳原[対馬交通]、五根緒線…舟志[対馬交通] 椎根の石屋根

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